高齢者の賃金に関する新聞記事
NTT:65歳雇用に備え、40~50代の賃金抑制
NTTグループの労使が、社員を65歳まで継続雇用するため、現役世代の人件費上昇を抑制する賃金制度を来年秋に導入することで合意したことが15日、分かった。
定年後の継続雇用制度を持つ大手企業は多いが、現役世代の賃金体系を見直す例は少ない。社員約20万人のNTTグループの取り組みは、高齢者の継続雇用方式を模索する他の企業にも波及する可能性がある。
企業に希望者全員の65歳までの雇用を義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が2013年4月に施行されることに対応。14年4月以降、60歳の定年退職者のうち希望者全員を基本的に再雇用する。そのための給与原資を主に40代、50代の現役世代の賃金上昇を抑えることで捻出する。
年功要素の強い基準内賃金を抑制する。65歳まで働いた場合の給与総額は大きく変わらないようにする方針だ。
NTTグループの主要8社とその関連会社の組合員計約18万人が対象。このうち、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、持ち株会社のNTTの4社で来春から新制度での継続雇用を始める。現在、210万~240万円程度の60歳以上の年収を300万~400万円に引き上げる。
NTT東日本、西日本など4社では、50歳以上の社員を転籍させる現在の制度を廃止し、23年から新制度にする。
[毎日新聞社 2012年12月15日(土)]